放送大学で心理学を学ぶ

放送大学での新たな学びを通して自分と向き合いたい

社会心理学の講演会にいってきました。

今日、岐阜学習センターでの宮本先生の講演会、

人前 での社会心理学というタイトルで、行われました。

宮本先生については、先月、心理学実験で面接授業を受講し、また、認定心理師の資格の説明会にも出席させていただきました。

お話もとてもわかりやすく、生徒のことをとてもよく考えてお話してくださって、とてもよい先生だなあと思い、今回の講演会も期待して出席しました。

しかも、今回は先生の最終講義ということで、本当に私にとっては短い期間でしたが、先生の講義(心理学実験もそうですが)を受講できたこと、ラッキーだったなと思ってます。

 

直接講義をうけるということ

通信制の大学などは、ほとんど一人で(テレビやラジオなどを介して)講義を受けて、先生に直接指導をうけることはあまりありません。ゼミなどに参加できるといいんですが、現実は、働いていたり、介護や子育て、あるいは大学に行くことがさまざまな事情でできない人が多いから、参加は難しいのが実情です。

面接授業などで、とてもよい講義をきくことができたり、印象にのこる授業だったりすると、とてもうれしくなります。

しかし、授業を定期的に受講するということは本当に大変なことですね。つくづく、体力と気力が必要なことだと思います。

学生時代に、あんまり熱心に授業を聞いてこなかったことを反省してしまいます。(寝てばかりいました)

学べるときには、なかなかその有り難みは実感できないものです。

 

人前での社会心理学

さて、今回の講義では、人前でうまく話せなかったり、上がってしまうことなど、私たちが日常、遭遇する場面での心理を扱ったものです。

主に、先生のかつての研究、実験などを説明されて、そして、実際にプロのスポーツ選手などが陥ってしまうような心理的な症状、(イップスというそうですが)、体が固くなってしまったり、人前で話せなくなってしまうような症状など、さまざまな場合が紹介されました。

そして、それらは、簡単には克服できるものではないけれど、いくつかのヒントが紹介されました。

このようなことは、結構巷でも、書籍になったり、テレビやその他の媒体でも取り上げられることが多いような気がします。

講義の内容は、

実験室での研究

フィールド研究

対処法

(当日配られた資料より)

でした。

 

先生の論文を少し読んでみました。

   観察者の存在による選択反応時間の抑制1 

自己呈示行動と心拍に及ぼす他者存在の効果

観察者の存在が自己評価反応と心拍とに及ぼす効果

 

 

 

実験室での研究

ここでは、ヤーキス・ダットソンの法則というものが紹介されました。

(YERKES & DODSON の法則: 1908 JOURNAL OF COMPARATIVE NEUROLOGY AND PSYCHOLOGY, 18, 459-482)

ヤーキーズ・ドットソンの法則: Yerkes-Dodson's law)は、生理心理学基本法則である。心理学者のロバート・ヤーキーズとJ.D.ドットソンがネズミを用いた実験で発見した。学習活動に対する動機づけは適切なレベルにあることが必要であるとする理論。

ウィキペディアより

この法則では、緊張と成績に関して、刺激が行動を誘発する力(成績)と喚起(覚醒)水準の関係のグラフが紹介され、行動に最高の効果をもたらすには、低喚起から高喚起の間の喚起レベルが適切であると、示されています。

ほどほどの喚起、すなわち刺激がもっともよいパフォーマンスを生むらしいです。

あんまり、刺激のない、たとえば、フィードバックがなかったり、点数がつかない課題とかは、やっていても身につかないというか、どーでもいいやって感じになるんでしょうね。たぶん、よく学校で行われる小テストなんかもきちんと成績に反映されますよ、って先生にいわれると結構一生懸命にやるもんですね。

でも、その刺激が強すぎる、たとえば、罰が与えられる、みんなの前で叱られるなど過度な刺激はかえって逆効果になったり、あるいは、課題そのものが難しすぎるとパフォーマンスを発揮できなくなるようです。

もうひとつ、一人でなにかを行うときと、他者の存在があるときの行動について、そのパフォーマンスが影響される、という理論です。

 

ロバート・ザイアンスの社会的促進

ザイアンスは、社会的促進social facilitation:他者の存在が行為を促進したり、抑制したりすること) が人間や他の動物(特にゴキブリ)の間でどのように働くかを提示し、社会的促進が高次の認知過程の結果だけで生じているわけではないことを明らかにしたことでも知られている。

ウィキペディアより

 私自身、ごく短時間の講義で、そして資料も先生の実験を紹介されていたんですが、正直、なかなかわからない部分も多くありました。!(すみません!)

が、これらのさまざまな実験や、理論を基に、次の段階 フィールド研究が紹介されました。

 

弓道成績の観察者効果

先生が顧問をされていたという、弓道部でのフィールドワークから得られたさまざまな研究結果。

上級者と中級者、そして初心者の3つのレベルにおいて、それぞれみられている場合と一人でおこなう場合の成績の結果などが示されています。

先生の論文、

「あがり」に関する実証的研究 : 弓道における逆U 字仮説の検討

岐阜大学教育学部研究報告 人文科学 第40巻(1992)

には興味深い実験結果が示されていました。

実験では、試合に臨んだ弓道部の女子学生4名を被験者とし、それぞれの学生の一年次から3年次までの的中率を集計し、実験当時のそれぞれの弓道の技術水準を決めたうえで、実際の試合での記録を分析し、射込み、順立てという練習、そして試合という場面での的中率をグラフに示されています。

考察として、的中率に関しては、逆U字仮説を支持する結果が得られたことが記載されています。

すなわち、被験者4人とも、順立てという練習時が一番成績がよく、試合時での成績は悪くなったということです。喚起水準の高い試合中では、中程度の喚起水準にあるときより成績が悪くなるという。

 

ここでの考察はとても興味深いもので、このあと紹介された、あがりなどへの対処方法のヒントになるものです。

私たちは、こういう心理学的な話は、こうすればいいんだ、という結論だけを先取りし、わかったような気がするんですが、ここまで、実験やさまざまな仮説、理論をすこしでも読んでると、では、どうすればいいのかを自分の頭で考えることができるかもしれません。

ここまででわかることは、私たちが生きるこの社会の中では、他者の存在を無視することはできず、この他者の存在によってさまざまな生理的、心理的な影響をうける、ということでしょうね。

 

プロゴルファーの森田理香子さんが襲われたイップスという症状

ゴルフはぜんぜん、詳しくないので、この方についてはまったく知らなかったのですが、動画でその症状をみて、ちょっとショックをうけました。

プロスポーツでは、私など全く想像できないプレッシャーとの戦いであり、もちろん調子がよくて、結果がちゃんとでれば、その評価が高まり、その報酬は金銭もそうですが、さまざまな称賛を集め、モチベーションも高まることでしょう。

でも、いったん、なにかのきっかけで自信をなくすと、まさにそこから這い上がるにはたいへんな努力が必要のようです。

一時、ラグビーの五郎丸選手の、ルーティンが結構有名になりましたが、このルーティンという動作も、一つの対処法ですね。

この講義ではまあ、プロ選手のような特殊な環境ではなくとも、私たちも日常生活で緊張する場面、人前で話す、試験をうける、などなどでできる対処法が紹介されています。

1. 感情に働きかける

2. 行動にはたらきかける

3. 認知にはたらきかける 認知療法

が紹介されています。おそらく、いまやこれらの中身に関しては、いろいろ紹介されているとおもいます。

実験結果にもあるように、適度な喚起水準で、なにかの行動(これはルーティンにしてみる)、あとは、文字にして可視化することなど、問題をごちゃごちゃにしないで、書き出し、整理してみるなどがあります。日記をつけることは、たとえばかいているときの心の整理もありますが、あとから振り返ったとき、その当時に悩んでいたことを客観的に観察でき、あらたな問題に向かうための解決の糸口になることもあります。

私は、10年日記をつけていますが、ちょうど、その日のたとえば去年にはこんなことを悩んでいたんだ、とか、そこから時間が経過することの効用も感じられます。

 

そして、どうしようもできないこと、(天候、過去のミス、他人の言動、など)を心配することはやめることですね。

これらのことはスキルとして、自分自身への処方箋とすることで、役立つことがあるとおもいます。

本当にいろいろ考えさせられ、ごくあたりまえの心の動きをこうやってきちんと考えるは、これから心理学をすこしづつでも学んでいく私にとって大きな収穫となりました。